中村倫也を語りたい

中村倫也ファンによる中村倫也ファンのためのファンブログ。倫也さんのことを中心に書いてく予定。予定は未定。

映画「水曜日が消えた」感想文【他人を知ろうとすること】

こんにちは!
映画「水曜日が消えた」。ついに公開を迎えました!おめでとうございます!ということで、感想文を書いていきたいと思います。ちなみに映画を2回見て、小説は未読の状態で書いてます。どの状態で書くのがベストなのかわからないけど、映画だけ観た純粋な気持ちの文は残しておこうかなと思いまして。

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ということで、本日のテーマは

映画「水曜日が消えた」感想文【他人を知ろうとすること】

です!!!


※ネタバレはありなので視聴前の方はお気をつけください。


他人を知ろうとすること。
これは観てる間から頭の中で出てきた最初の感想です。で、結局私が映画から受け取った一番のメッセージだったかなと思います。


この映画はずっと"火曜日"の目線で描かれます。"火曜日"は趣味も特にないし自分が一番つまらないと思っていて、出てくるのは他の曜日の文句ばかり。雑用ばかり押し付けられているのだから致し方ありません。
そしてそんな性格になったのは、火曜日という曜日自体がそうさせたのか、"火曜日"の人格が元々そうなのか、それはわからない。でも"火曜日"自身は曜日のせいにしている節がありました。

ここから見えたのは、悪いことは周りや環境のせいにする、そのくせ他人を理解をしようとしていない、という彼の性格でした。



映画を観る前は、各曜日の描写が冒頭に出てくるもんだとばっかし思っていましたが、スマホで月曜日と対峙し、二つの人格が混濁していくシーンや、"月曜日"を主とした一つの人格(この書き方でいいのかまだわからないけど、わかりやすく書くとこう?)になったシーン以外はほぼ"火曜日"の僕しか出てこない。


だからこそ、"火曜日"のこの性格は途中まではあまり意識されない。
"火曜日"くん可哀想に、また隣に誰か寝てる………あ、タバコがない。また水曜日迎えられたんだね、よかったね………
と、観客である私達も"火曜日"に寄り添う見方で進んでいくからです。


でも"水曜日"が消え、"木曜日"も消え、彼らの日常を体験した"火曜日"は彼らには彼らなりに大切な日常があり、仕事があり、大切な人がいたことを実感していく。彼らが何を考えていたのかが頭の中にそのまま入ってくるのではなくて、その曜日として生きることで彼らの日常を、思いを、想像している。



このあと"月曜日"とついに対峙する"火曜日"。伏線は張られていましたが、"月曜日"も同じ様に他の曜日を生きていました。(私は深読みしすぎてて、実は"月曜日"と思わせて"日曜日"とかが消えた他の曜日として生きてるとかもあるのかな、とか考えてました笑)


同じ体験をした"月曜日"がどうなっていたのか詳しく描写はされていないけど、"火曜日"が水曜日を生きた3週目(隣に工事の人形が寝てた日)と4週目("月曜日"の付箋を丸めて叩きつける日)とでは火曜日の朝に残された"月曜日"のタバコの吸殻の量が全く違いました。3週目は結構大量だったのに、4週目は何故か少なくなっている。むしろ1日しかなかったであろういつもの"月曜日"の時よりも少なく見えた気がして、"月曜日"も他の曜日を生きた時に気を遣ったりしたのかなという想像をしました。(逆に生きれる曜日が増えて大量に吸って灰皿が満杯になってしまい、一度吸殻を捨てたからというだけかもしれませんが笑)


他の曜日を生きた体験も影響したのか、"火曜日"の想いを聞き、きたろうさん演じる主治医の先生とのお話を経て(ここのシーンで先生の「大きくなったね」というセリフめちゃくちゃ好きでした。先生にはバレてる!って) 、7人の僕を取り戻したいという結論を出した"月曜日"。


単に"火曜日"の成長物語になるのかと途中までは思っていたけど、あくまでも7人の僕、つまり「斉藤数馬(名前これで合ってる?)」という外から見た時の1人の人間としての成長物語だったんだな、と感じました。


どんな手術、治療をしたのかはよくわからないけど、7人の僕が帰ってきたところで映画は終わります。ここで初めてきっちりと出てくる倫也さんの全7曜日の演じ分け。そして付箋で会話するエンドロール。私とっても好きでした。


元々の7人それぞれの生活がどんなだったかは"火曜日"の目線でしかわからないから想像するしかないけれど、今回の経験を経た彼らは、他者(本来の意味の他者に加えて、他の曜日も含みます)に興味を持つ人に変わったように思えます。興味を持つことで思いやりも持てるし、相手の気持ちに立てるし、好きにもなれる。特に"火曜日"と一ノ瀬が卓球をするシーンはとっても微笑ましくて、温かい気持ちになりました。そしてエンドロールでの会話はクスッと笑ってしまうものばかりで、仲の良い7つ子のLINEグループを覗き見してるような感覚になりました。

そして、他の曜日の生活を目の当たりにすると受け取り手の見方も変わってくる。一番わかりやすかったのはシャワーの温度。"火曜日"がちょうどいいと思う温度は"水曜日"にはぬるい。"火曜日"はシャワーの温度が熱いと"月曜日"に文句を言っていたけど、もしかしたら"火曜日"だけがそれが熱いと思っていて、他の曜日たちからしたらちょうどいい温度だったのかもしれない。そんなことも思いました。



ここから映画を観た後に、私が考えさせられたお話に移ります。



他人を理解するって、難しい。というか、最近は無理だよな、と思い始めていたところでした。(すぐに倫也さんに影響される私は、最近こんな哲学的なことをよく考えています。笑)


でも他人を知ろうとすること、他人の痛みを想像すること、他人の置かれた立場に立つこと、それなら誰でも出来るはずです。
知ろうとした結果、間違えるかもしれないけど、知ろうとしたことはきっと相手に伝わるだろうと。


だからこそ映画の中の7人の僕は、自分たち自身でもあり、色んな他人でもあるのかな、と私は感じました。"火曜日"は消えた"水曜日"の日常を過ごして、他人("水曜日")のことを想像することを学びますが、これは実生活でも同じことだなと思うんです。


"火曜日"や"月曜日"の様に、別人として日常を過ごしてみることは私たちにはできません。
でも、家族や、友達や、顔の知らないフォロワーさんや、自分の推しや、名前のない不特定多数の人。そんな人達それぞれに思いを馳せて、知ろうとする、想像することはできます。



そんなことをふんわりと包み込むように私に教えてくれる。そんな映画だったなと思いました。




こんな今だからこそ、倫也さんファンだけではなく、たくさんの人に見てほしい映画だと思います。

※2020年7月7日追記
6回見て小説も読んだ上で、より深ーいネタバレと解釈の感想文も書きました。
物足りなかった方はこちらもどーぞ。

seeen-tomoya.hatenablog.com


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~~あとがき的なやつ~~

本日、シネクイント渋谷さんで行われた、舞台挨拶映像付きの特別上映に行ってきました。こういうのに縁のない私でしたが、ほんとに嬉しかったです♡
そして特別な経験もして、もうとってもとっても幸せでした♡