中村倫也を語りたい

中村倫也ファンによる中村倫也ファンのためのファンブログ。倫也さんのことを中心に書いてく予定。予定は未定。

ドラマ「石子と羽男」第3話感想文【無駄なこと】

こんにちは!
本日は第3話の感想です。1話2話とぐるりと終わり方を変えてきて、あ、このドラマめっちゃ好きだわ、とさらに思う回でした。
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まずはドラマの概要から。

【出演者】
石田硝子(石子)/有村架純
羽根岡佳男(羽男)/中村倫也

大庭蒼生/赤楚衛二
潮綿郎/さだまさし
塩崎啓介/おいでやす小田


【主題歌】
RADWIMPS
「人間ごっこ

第2話の感想はこちら。
seeen-tomoya.hatenablog.com


さて、本題に入ります。
本日は以下の3つのテーマについて書いていきます。


  1. 受け入れてもらうこと
  2. 無駄なこと
  3. 想像力


1.受け入れてもらうこと

第3話は羽男の受け入れてもらえない苦しみを、二重に描いた回でした。

一つ目が今回の事案。ファスト映画を投稿した井之脇海くん演じる山田くんは、逮捕されてもなぜそれが悪いことなのか全く理解ができず、むしろ自分がしたことは映画業界を盛り上げる行為だったのだと、羽男の言うことに全く耳を貸さない。
羽男も最初は自分のためであったものの、石子の言葉を聞いて、どうにか執行猶予を付けられるように、接見に臨むものの、羽男の声は山田くんの耳には届かない。

二つ目が羽男のお父さん。第2話の放送後、羽男の家族について私はこんな想像をしていました。


予告でも出てきたお父さんのセリフでこう思ったのですが、3話本編を見たら案の定…って感じでしたね。父親は裁判官で、検事になっているくらいだから姉も優秀だったのでしょう。そんな家にフォトグラフィックメモリーを持った羽男が生まれれば、この子は天才だ、長女よりも優秀に育つかもしれない、と絶大な期待を受けながら育てられたことは想像に難くない。
羽男はきっと他にやりたいことも言えなかっただろうし、何かに失敗したとしても無かったことにされたりして“できない“ことを認めてもらえなかったのだろうと思います。

自分の言っていることを聞いてもらえなかったり、本当の自分を受け入れてもらえないことって、ものすごく苦しいはず。羽男のこの苦しみを倫也さんがとても繊細に演じているように見えて、もう守ってあげたくなってしまいますよね。笑
そういう意味では、【真面目に生きる人々の暮らしを守る傘となろう】という潮法律事務所のモットーにもあるように、羽男は綿郎パパと石子ちゃんという大きな傘に守られているんだな、と思いました。ほんと、良かったね、羽男…!!(誰目線)



2.無駄なこと

先ほどの1に続いてこの無駄についても、第3話では二重に描かれていました。

一つ目がファスト映画に代表される、タイパを極端に重視する風潮。でんでんさん演じる山田監督は、無駄や曖昧なことを大事にして映画を作っているというセリフも出てきました。こういう時代においては、自分は淘汰されてしまう人間なのではないか、というセリフも出てきます。
デジタルが世の中に普及した結果、私たちが“消費する“コンテンツは尋常じゃない増え方をしています。いわゆるZ世代なんかはその状態が当たり前の中で育っているから、それらをいかに効率的に消費するか、この作品はタイパが良いかどうかなどと考えてしまう、というのが昨今言われている言説ですね。それがファスト映画だったり、倍速視聴に代表されるような“無駄“を極力省く行為だと。

二つ目が石子の行動原理についてです。石子は事務所の経営状況を考えるあまり、お金にならない仕事は無駄なことだという思いがかなり強いように感じる。3話まで見た感じだと、父である綿郎への反発のようにも感じる。要するにコスパ重視が石子のルールの一つ。
父である綿郎はコスパよりも困っている人を助ける、人情のようなものを大事にしているけれど、石子は直接的に収益に結びつかないものは”無駄”なことだからやらない。

ファスト映画による著作権侵害がこの第3話の問題提起の一つでしたが、無駄を極力省く、失敗を絶対しないようにする、コスパ・タイパ重視、これらが行き過ぎている現代への問題提起の意味合いがかなり強かったようにも感じました。

私自身も仕事をしていても、そういうことはよく感じていました。目の前の目標に必死すぎる風潮とか、回り道をしたがらない風潮とか、息苦しくない?ってことをよく感じます。

それに待ったをかけてくれる今回の題材は、とても好きでした!



3.想像力

羽男がSNSで山田監督に勘違いの非難が集中した時に「バカが多すぎる」と一蹴したセリフ。これは想像力が無い人間が多すぎる、ってことでもあるのかなと思いました。

そういえばMIU404でも、SNS上でのコメントに対してバカばっかりだな的な発言を志麻や桔梗さんにさせていました。(10話。)

今回事件を起こした山田くんも、尊敬する山田監督の最新作のファスト映画を見せられるまで、自分が犯してきた行為を理解できてなかった。
映画を自分でも作ってて、山田監督のファンでもあったのに、理解できなかった。

これは、制作陣の気持ちを、映画を愛する人の気持ちを、山田くんが想像することが出来なかった故の行為でもあったと思います。

以前、想像力をテーマに記事を書きました。
seeen-tomoya.hatenablog.com

これは倫也さんの「THEやんごとなき雑談」の【テクノロジーの一歩手前】というお話から、影響を受けています。
このお話、久々に改めて読みましたが、やっぱりめちゃくちゃ好き。
以下に一部引用させていただきます。

人間の想像力には限りがある。自分の身近な人の痛みを汲み取る力と、見ず知らずの人の苦しみを想像する力とでは雲泥の差があるし、またそれをしようとする体力にも上限がある。

(出典:「THEやんごとなき雑談」テクノロジーの一歩手前 P151 株式会社KADOKAWA

ここには書かないですが、締めの言葉が特に好きです。導入で出した話題をしっかり回収していて、しかも倫也さんがよく発言している思いの部分でもあるから。読んだことない人、是非ご一読ください!

見ず知らずの人と、会話せざるを得ない機会が現代はとても多い。SNSの弊害はこういうところにもあるように思う。
そんな今だからこそ、想像力を働かせて、自分と遠い人の気持ちも理解できるような人間になりたいって、改めて思えるような回だったなと思います。

※2022年8月12日追記
第4話の感想記事はこちら!
seeen-tomoya.hatenablog.com


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~~あとがき的なやつ~~

さて、今回も石子も羽男も2人とも可愛かったですねぇ。
あと、電話の羽男!!!最高すぎて何回も見ました。笑
あんなのリアコでしかない。ずるい。もう。好き。