中村倫也を語りたい

中村倫也ファンによる中村倫也ファンのためのファンブログ。倫也さんのことを中心に書いてく予定。予定は未定。

☆映画感想文☆〜2021年8月〜

こんにちは!
今回は8月に観た映画5本のまとめをさせていただきます。今月観た5本は結構ジャンルも幅広くて、どれも面白かった。
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さて本日のテーマは

☆映画感想文☆〜2021年8月〜

です!

前回書いた2021年7月の感想文はこちら。
seeen-tomoya.hatenablog.com


7月までの今年のベスト3はこちら。

  1. ファーストラヴ
  2. あのこは貴族
  3. ファーザー


8月に観た映画はこちら。観た順です。

  1. プロミシング・ヤング・ウーマン
  2. イン・ザ・ハイツ
  3. キネマの神様
  4. ドライブ・マイ・カー
  5. 鳩の撃退法


さて、早速それぞれの感想を書いていきます。

1.プロミシング・ヤング・ウーマン


女性の性的搾取がテーマの映画。
カフェで働く主人公の女性は、ゆきずりの男性達とのワンナイトに溺れているか、と思ったら、実は何かしら明確な目的を持って男を引っ掛けていて……というお話。

男女平等とかなんやらかんやら言われて久しい現代社会だけど、この映画を観て、主人公はサイコパスだと思うのか、それとも共感するのか、同情をするのか、今のこの現代社会を嘆くのか。観た人々によって感想は様々なのかな、とも感じました。

私が印象に残っているのは、たくさん登場してくる男性の登場人物たちです。
「俺は紳士的だから」とか「俺はそういうことしないよ」とか「俺は優しいから」と最初は言っていた男たちが、主人公の女性がか弱い、馬鹿な女、ではない、むしろそれと正反対な頭が良く芯の通った女性だということに気づいてから、みんな態度が豹変するのが、本当に滑稽で、でもそうだよなーと少し納得してしまう部分でもありました。

この映画、カップルで見にいくとかなりしんどい映画なのかな、という感じがしますが、もしカップルたちで観にきていたら上映後の会話で、「俺はこういうタイプじゃないから」とか「こういう男いるけど、俺は違うよ」とか、男側が言ってんのかな、と想像してちょっと笑ってしまいました。笑


私個人のお話をすると、女扱いされたくない(特に仕事で)と思いながらも、都合の良い時には馬鹿な振りをしたり、女性らしさを演じたり、といったことを、上手く世渡りするために無意識にも意識的にも、私はたぶん結構しています。
会社が割と男社会なので、その方がうまく仕事が回るんですよね。つまり楽なんです。笑


そういうことが積もり積もっていくと、大きな問題になることもあるよなー、となんだか怖くもなりました。
女性には特にオススメの映画です!!!

2.イン・ザ・ハイツ


こちらは、ニューヨークに実在するワシントン・ハイツという移民たちが多く住む街を舞台にした、ミュージカル映画
主人公のウスナビが、どこかの島で子どもたちを集めて、ワシントン・ハイツのとある暑い夏の数日間に起こったことを、語りで聞かせる、という形で物語がスタートします。

結論から申し上げると、まずとにかく映像が綺麗で、ミュージカル部分はラテン系の音楽だから心が盛り上がるし、登場人物に共感もできて感動するし、でとてもとても最高な映画でした。
そして暑い暑い夏が舞台ということで、今観るのにぴったりな映画だったな、とも思います。


この映画では4人の若者がメインとなって、物語が進んでいくのですが、その中で特に好きだったのは、ニーナです。
ニーナは子供の頃から街一番の秀才で、街の期待を一身に受けて育ちます。ニーナはその期待に応えて、有名大学へと進学することができたけど、そこで待っていたのは、大学での差別。自分の学費のせいで父親の事業を潰してしまうこともプレッシャーになり、夏休みに街に帰ってきたタイミングで大学をやめたいと話すことに。でも自分の帰省を喜んでくれる街の人たちに、大学をやめようと思っていることを中々伝えられず……というストーリー。

親や周りの人たちからの期待って、もちろんありがたいことだけど、本人にとっては相当なプレッシャーだし、その期待からそれた方向に夢を転換してしまうことも難しい。
私も、そんなたいそれた期待をされていたわけではないのですが、なんだか自分のことのようにも感じられて、ニーナのところでめちゃくちゃ泣いてしまいました。

メインの登場人物ではない人たち、一人一人にもしっかりとストーリーが流れていて、毎日を一生懸命生きているんだということが、よく伝わってくるストーリーとなっていたように感じられて、その点も非常に好きでした。

これはとてもとてもオススメ。是非観てほしい映画です。


3.キネマの神様


菅田将暉くん、沢田研二さんが二人一役でダブル主演を務められた映画です。昨年、志村けんさんが出演予定だったところ、新型コロナウイルスで亡くなられてしまい、沢田研二さんが代役を務められたことでもニュースとなりましたので、それで作品を知った方も多いのではないでしょうか。
そして監督はあの山田洋次監督……、とか書いておきながら、私山田洋次監督の映画って見たことないな?と思って今Wikipediaで調べたけどやっぱり何も観たことなかった。(そして誕生日が同じということを知る…笑)

先日実家に帰った時に母親に、父親が沢田研二が昔好きだったから昔の歌番組をCSで録画しててーと言われて、そういえば今やってるキネマの神様この前見たよと言ったら、私山田洋次の映画好きじゃないのよねー寅さんも好きじゃなかったしーみたいなことを言われて、そうか…だから私も観たことないのか…と少し納得しました。笑(母親は一応映画好き)


この映画の感想としては、色んな愛にたくさん溢れた作品だったな、と感じました。
映画への愛(そして松竹への愛もありそう)、ひいては映画界そのものへの愛、妻への愛、子供への愛、……そんな色んなものへの愛に包まれた、温かい映画だったなと思います。

数十年前の日本映画ってほとんど観たことはないので、本当にただのイメージでしかないのですが、北川景子さん演じる、当時のスター女優役がドンピシャハマっているように感じて、本当にめちゃくちゃ美人で、とてもよかった。

そして何よりも良かったのが、沢田研二さん演じる現在のゴウ。沢田研二さんご本人のことは本当に何も知らないけれど、小並感あふれる感想で申し訳ないけど、本当に居る人みたいだな、と思いました。
あと東村山音頭沢田研二さんに踊らせたところで、まじ泣きしました。志村けんさんが演じる予定だったからこの演出だったのか、志村けんさんが亡くなってしまったからこそ、この演出を後から入れたのかは、知らないですが、現実とリンクしてしまい…。

この映画、観て良かったです。

4.ドライブ・マイ・カー

先日行われたカンヌ国際映画祭脚本賞などを受賞された本作。
村上春樹さんの短編小説が原作で、妻を亡くした主人公を西島秀俊さんが演じています。ちなみに私は原作未読です。

この映画、間違いなくめちゃくちゃ良い映画だったな、と思います。理由は素人にはうまく表現できません。
が、なんとか説明しようと試みてみます。笑
その理由は次の3点にあると思います。


①舞台を見たことなくてもなんか伝わる
この作品の中には、戯曲が出てきます。
車の中と舞台稽古・舞台本番のどちらかを基本として物語が進んでいくのですが、ずーっとその戯曲の中のセリフが抑揚なく繰り返されます。
車の中では主人公が、相手役の声を妻が吹き込んだテープを流しながら、常に言葉を発し続ける。
舞台稽古、稽古というよりは本読みの時間がほとんどで、感情を入れて言葉を発することを、演出家でもある主人公が固く禁じるため、ここでも発出者は変わりながらも抑揚のないセリフが繰り返される。

私は舞台を観劇したこともないし、この作品の中に出てくる戯曲も全く知らないし、ぱっと見意味不明です。笑
でも、その辺に疎い人であっても、抑揚なく発せられることによって、戯曲の中のセリフと主人公の心情とリンクしていくことがよく伝わってくる。

言葉って面白いもので、抑揚がない方が、何を言っているのかはよく入ってくる。
抑揚がついて、言葉を発する人の感情が乗っかってしまうと、そちらにも意識が向いてしまうからです。人間が受け取れる情報量には限界がある。
それは、本で読んだ時と映画の中のセリフとして聞いた時とで、受け取り方が変わってくるのと同じですよね。
言葉の意味、セリフの意味、文章の意味、その文章の中に意図されているもの、それらが登場人物たちの心情とともによく伝わってきたように思います。
そういった意味では、この映画はとても文学的?というか小説的?というか。こんな映画もあるんだなーと面白く思いました。

さらに言えば、だからこそラストの舞台が本当に効いてくる。感情が乗った演者の舞台とは、こんなに恐ろしいもの(褒めてる)なんだと、生で見ているわけではないのに、まざまざと感じました。


②上映時間の3時間が全く長く感じない
この映画は、先に述べたように、淡々と抑揚のない語りが長く続く作品です。
岡田将生さん演じる若手役者が感情をよく発露するキャラではありましたが、それ以外の登場人物は中々大きな感情の動きを見せない。
特に西島さん演じる主人公と、三浦透子さん演じる彼のドライバー。この二人の車の中でのシーンが最も多いけれど、この二人は表にわかりやすい感情の動きが本当に少ない。(その代わり、二人の距離感の変化、つまり車の中で西島さんの座る位置が徐々に変わるところは特に良かったですねえ。)
なのに、3時間という上映時間の長さを全く感じませんでした。なんでですかね。教えて偉い人。


③自己と他者についてのメッセージ
この作品の大きなテーマが、自己と他者だったと思います。

よく知っていたと思っていた他者について、自分の知らなかった一面がどんどん露わになってしまうこと。
自己を知るためには、自問自答を繰り返さなければならないこと。
他者を通して自己を知る、という可能性もあること。

上記3つが、この映画から私が強く受け取ったメッセージです。
特に3つ目の「他者を通して自己を知る」という点が強く感じられました。

相手が大事にしているものを知ったり、トラウマの原点になっている場所に共に赴いたり、そういった行為を通して他者だけでなく自己についても省みられるものなんだな、ということを思いました。


この映画に関しては、まだまだ受け取ったものが沢山あるような気がするのですが、うまく言語化できないのでこの辺で。是非是非映画館に見に行ってほしい作品です!!


5.鳩の撃退法

藤原竜也さん主演、これは現実か?フィクションか?という形で進んでいく、謎解き系?の伏線を綺麗に回収していくエンターテイメント作品です。
主人公の津田は過去に直木賞も受賞したこともある小説家だが、今はお金もなく地方で夜のお店のお姉さんたちのドライバー。
そして土屋太鳳さん演じる編集者に、久しぶりに書いた小説を読ませていくことで、話が進んでいくけれども、実は自分自身が経験した事実を元にしていてーー。
というのがこの映画の超簡単なあらすじ。

ネタバレしてしまったら何の意味もない映画なので、詳細なストーリーについてはあまり触れられないのですが、徐々に明らかになっていく事実と、あれ?でもどこまでが事実でどこまでがフィクション?という境目が曖昧なところが、単純に面白く、映画が終わった時には、とてもスッキリする映画でした。オススメ!


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~~あとがき的なやつ~~

今月はどれも好きな映画だったので、ランキングつけるの難しいですが、ドライブ・マイ・カー、鳩の撃退法、イン・ザ・ハイツの順ですかね?
ドライブ・マイ・カーと鳩の撃退法はとても良い作品だったことには違いないのだけど、単純にとても私好みの作品でした。

ということで、8月までの今年ベスト3はファーストラヴ、あのこは貴族、ドライブ・マイ・カーです!